「売り出し方をつくるコーチング」

もはや日記ではないレベルの「こうすけ日記」
心理ブログよりもファンが多い現実・・
心の解説者の平山こうすけです。
今回は「再検査と僕」についてお話をします。

三寒四温を繰り返す春。
３ヶ月ごとに病院へ向かう僕。
再検査を繰り返すこと２年が過ぎた・・
再検査２周目の春がきた。

「お仕事は何されていますか？」と尋ねる先生。
「美容師です。」という僕に
「漁師さんですね。」と謎の回答を繰り返す
先生とも２年の月日が流れた。

診察時間前に採血をして、約１時間の
検査結果を待ち、順番に診察となる。
病院の待ち時間はとても長い。合計で３時間くらい滞在して、
診察時間と薬を受け取る時間、会計をする時間は
トータル１０分もしない。残りの時間は待つしかない。

待ちわびる高齢者。しかし高齢者達は外の旅に出る。
内科の受付には何人も確認の高齢者が渋滞する。
「すみません、私は呼ばれましたか？」とじいさんが尋ねる。
「受付番号は何番ですか？」と返答をする受付さん。
「私は田中です！」と強く回答をする田中さんのじいさん・・

病院には沢山のドラマが存在している。
健太郎の自動血圧計に挟まれ声を荒げる人。
救急車から運ばれてきたのに自走で歩いて出てくる患者。
患者さんよりも疲れて見える看護師の姿・・。
何かが悪いから来院してるけれど「何か」が違う気もする。

僕は耳をすまさないと聞き取れない先生のアナウンスを待つ。
「３２番の方５番診察室にどうぞ」と小声のアナウンスがなった。
僕の番がきた。

僕はスライド式の扉を開き「よろしくお願いします」
と中へ入る。
先生は無言でパソコンを見て検査結果を僕に伝える。
「尿酸値が高くなりました。確かビールは飲まないんでしたよね？」
と先生は僕に尋ねた。
「はい。お酒は焼酎にしていて、ビールは飲みません」と僕。

先生はカタカタとパソコンを打ち込みながら、
「痛風の症状が出てからでは遅いので薬を出します。
また３ヶ月後に様子をみましょう」とパソコンを打ちながら
僕に伝えた。

僕は「先生なんで尿酸値が増えたんですか？僕、食事も運動も
気をつけているのですが・・」
先生は僕に視線を変えて、相当真剣な眼差しで応えた。
「雲丹（うに）の食べ過ぎです！」

雲丹の食べ過ぎです！・・・・・・って
「・・・・・・・・」
僕は何も言い返せなかった。先生が真剣すぎて・・

雲丹なんて箱買いもしたことないし、
普通食べないでしょ？常用的に。

えっ？もしかして、オレまだ素潜り漁師のままなの？先生。

コミュ力高くて適当なドクターよりも、数字的に的確な先生の
方が僕にとって良いから、先生で良いのだけれど、
何で「雲丹の食べ過ぎなの？」食べるかよ関東で。

しかし先生の攻撃回答は止まらなかった。
「運動も増やしましょう。あとラーメンはもうやめてください！」
ラーメンはやめてください・・・

僕はラーメンを食べないし、
毎日５キロ歩いていて、サーフィンもして、ワカメを食べる僕が
これ以上運動したらアスリートか無職だよ。

出会った頃から支離滅裂な関係だったけど、
先生が真剣だったから僕は「わかりました」とだけ返した。

診察室の席から立ちあがろうとした僕に先生は
もう一つ伝えてきた。
「平山さん。３ヶ月後は担当医が変わりますので。」
？？？
先生いなくなるの？何じゃそれ・・笑

総合病院だから、あるあるの出来事だけど
先生にとって、僕は最後まで素潜りを得意とする漁師のままだったのか。
しかも、仕事の漁の後は決まってラーメンをたいらげる男・・
病院にはドラマが存在する。それは時にコメディでもある。
僕は漁業を営む患者さん。雲丹を食べすぎる患者さん。

お別れの課題は尿酸値。
別れ時の尿酸値。追伸、ラーメンは駄目。

「ありがとうございました。」と僕は謎の診察室から表に出た。
２周する春夏秋冬を僕らは過ごした。

僕たちは助け合いながらも、互いに理解し合うことはできずに
別れた。これが春なんだと心に思った。

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心の解説者®︎・エッセイスト　平山　コウスケ

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