「売り出し方をつくるコーチング」

もはや日記ではないレベルの「こうすけ日記」
心理ブログよりもファンが多いとか・・

心の解説者の平山こうすけです。
ニッチなエッセイで人気の”僕のシリーズ”、
今回は「標識と僕」についてお話をします。

朝のウォーキング用に手袋を買った。
ドラクエがやりにくいからタッチパネル対応だけれども
よく使う３本の指先を切り離した。

早朝の４時、朝日も無くなったこの空は、もう冬なのだと
戒めるように北西の風がとても冷たい。
僕はライトとネックウォーマーも装備して、都内を歩き始める。

音のない世界。
酔って歩く静かな深夜の路上ではなく、
サーフィンに向かう朝のような静かな時間。

僕は、風が冷たいほどのに頭の中で考える。
こんなことを、していていいのか？
こんなことさえ、しなくなったらそれでいいのか？

なんで寒いと人って考えるのだろう。
気温が暑い時の考え方とは全く違う。
安直に考えてみれば、暖かい地域よりも
寒い地域の方が哲学者や作家が多いのはそのせいなのかな。

お金の多さで自分を表現したい人がいる。
安定の正確さで自分を確立したい人がいる。
こういうものだと言い聞かせる人がいる。

どんな欲にも表現にも、その人が生きる限りの自由がある。
確かなものは何もなくても、信じたいものがそれであるのならば
それが人のゴールになっていく。

僕の目の前から犬が飼い主と向かってくる。
犬はハァハァと息をしている。
今の僕の隣に、かつてのトムはいない。

犬の散歩をする飼い主の姿に、当時の自分の姿を映す。
１億円払えたら、トムが僕の隣に戻る。
そんな願いが買うなら、僕は１億円を用意することに
全てをかけて生きるのだろう。
そんなことは起こらない。
起こらないからこそ、もう１億円分の価値をトムにもらっている。

生きるということは、消えない痛みも受け止め続けること。

生きるほどに辛いことが増えるもの。
生きるほどに、限界も見えてくるもの。
だからこそ、伝えるために、自分の表現を残さなければいけない。

空に明るさが広がり始めた。

少し暑くなったから、ネックウォーマーをポーチにしまう。
誰もいない都内の路上も、大自然の大海原も対して変わらない。
目の前に考える対象物が自分しかいないからだ。

こんなに寒くなるほど、近くに人はいない。
気の利かない人を見かけることもない。
人は自分のことを考える前に、目についた他人の行動を
気にする癖がつき過ぎた。

誰もいないのは寂しい。
もしかしたら、つまらない。
けれども、こんなことを、していていいのか？
こんなことさえ、しなくなったらそれでいいのか？
という自分の疑問にはたどり着く。

決められたルールの生活のなかでは、
気づくことを忘れた場所に慣れてしまっている。

もしかすると、自分は何がしたいのか？を探させない
法則に、のせられてしまっているのかもしれない。

大きなズレはなく、生活をすることは素晴らしいことだ。
お金を稼ぐために働くことも大切なことだ。

もっと大切なことなどない。
自分にとって大切なやりたいことは、意外と自分が知っている。
自分でやりたいことを知っているのに、
「やってはいけない」とブレーキをかけるのも、自分だったりする。

真面目と我慢は紙一重に、僕は思う。

いくらから、足りなくても動けばいいのに。
自分には無理なことでも進んだらいいのに。
自分にはできないし、もういいと、言い聞かせなくていいのに。

進んだ分、失うこともあるし、
いつもと同じ環境ではないことは確かだ。

でも進むべきと僕は思う。
誰にも相談できない内容だからこそ、進めばいい。

嫌なことを言えば、進んでもいつか辛いことは同じく、やってくる。
でも、新しい嫌なことを受け止めることも必要なんだ。

今月の、残る２作品の原稿を書きながら、
僕は寒い土手を歩き続けていた。

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心の解説者®︎・エッセイスト　平山　コウスケ

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