「売り出し方をつくるコーチング」

もはや日記ではないレベルの「こうすけ日記」
心理ブログよりもファンが多いとか・・

心の解説者の平山こうすけです。
ニッチなエッセイで人気の”僕のシリーズ”、
今回は「水枕と僕」についてお話をします。

１２月になるとやたら人は「師走だね」という。
和風月名で師走は１番の人気と僕は思う。
しかし、１２月の３１日間が過ぎ、１月１日の元旦を迎えた時に
「睦月（むつき）だね」と言う人を僕は知らない。
当たり前だけれども「あけましておめでとうございます」と人は言う。

今年の寒暖差は例年よりも酷くなった。
１週間前には気温が２０℃を超えていたのに、１２月になった途端に
１０℃になる。

インフルエンザやコロナ感染症の前に、体調を崩す方が
むしろ一般の人と僕は認識している。

早朝も深夜も歩く僕は風邪よりも、むしろヒートショックの症状に注意している。
血流のジェットコースターによって発症をするサイレントキラー。
僕の生活習慣では、こっちの方がリアルに怖い・・

でも、これだけの寒暖差は風邪もひくと思う。
乾燥もひどいし、物価も高い（関係ないか・・）

僕が幼い時に風邪をひくと、お母さんが水枕を用意してくれた。
臭いゴム袋の中に、氷水を入れてゴロゴロと音が鳴る枕。

頭の下にひいた水枕の感触が楽しくて、何度も寝返りをした。
「こぼれちゃわないかな？」と思いながら、僕なりにギリギリまで
頭を左右にゆすっていた。

水枕の端のギリギリを攻めると顔に金具が当たる。
金具が邪魔で、僕は外したかった。

妙な仕組みで止められた金具は簡単には開かなかった。
ひっぱってもずれないし、折り曲げても戻ってくる。

こいつさえいなければ最高の枕なのに・・・
そうやって葛藤をするうちに僕は寝ていた。

頭が痛くて僕は目を覚ました。

体は寒いし、頭が痛い。
枕のゴロゴロもぷにぷにと水に変わっている。

「コウスケ、水枕を取り替えようね」とお母さんが
僕の水枕を交換してくれた。
ゴロゴロと音の鳴る水枕の復活だった。

僕はまた寝返りを繰り返した。
何度も耳元でゴロゴロと音が鳴る。

そして、また金具が顔に当たった。

僕は、覚悟を決めた。
さっきは寝てしまったけれども、今回は許せない。
この金具さえなければ、寝返りはコンプリートをする。

クリップのような複雑な金具を僕は知恵の輪のように解いた。
要である横バンドを外した途端、僕の頭は床に落ちた。

水枕のゴム臭さも忘れるほどに、
水枕に巻いてあったタオルも濡れた。
僕の布団は水まみれ、体もタオルも濡れている。

こんなに出さなくてもいいのにと思うほどに、
僕の寝床は濡れていた。

僕は隠蔽するためにそのまま寝た。
事実をお母さんに話す恐怖よりも、冷たい今が
安全に思っていたからだ。

早朝に「寒い！今日寒くない？」と思う朝がある。
そういう時に僕は水枕を思い出す。

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心の解説者®︎・エッセイスト　平山　コウスケ

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